厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」が推奨する身体活動量を満たしている人は、全体の46.6%でした。明治安田厚生事業団と笹川スポーツ財団が2026年3月に発表した調査の速報値です。20〜64歳に限ると44.7%で、半数に届きません。
「あと少し歩けばいい」と言われても、その「少し」が何歩で、体にどのくらいの差になるのかは見えにくいものです。この記事では、公表データから不足している歩数を確かめ、それを消費カロリーと体脂肪に換算してみます。
推奨されている量はどれくらい?
ガイド2023の成人向けの推奨は、次のとおりです。
- 歩行またはそれと同等以上(3メッツ以上)の身体活動を1日60分以上(1日約8,000歩以上)
- 息が弾み汗をかく程度の運動を週60分以上
- 筋力トレーニングを週2〜3日
- 座りっぱなしの時間が長くなりすぎないように注意する
高齢者は、1日40分以上(1日約6,000歩以上)が目安です。
実際には何歩歩いている?
| 調査 | 対象 | 平均歩数 |
|---|---|---|
| 活動量計調査2025(1,353人が7日間装着) | 20〜64歳 | 7,017歩 |
| 65歳以上 | 5,428歩 | |
| 令和6年国民健康・栄養調査(歩数計で1日) | 20〜64歳 男性 | 8,564歩 |
| 20〜64歳 女性 | 7,287歩 | |
| 65歳以上 男性 | 6,667歩 | |
| 65歳以上 女性 | 5,429歩 |
2つの調査は、測り方(活動量計を7日間か、歩数計を1日か)も対象者も違うため、数字は一致しません。ただ、成人女性や高齢者、活動量計で測った成人全体では、目安まで約600〜1,000歩足りないという傾向は共通しています。
1,000歩は何kcal?(バルクラボの試算)
普通の速さで歩くと、1,000歩はおよそ10分です(当サイトでは1分100歩と仮定しています)。ほどほどの速さの歩行は3.5メッツなので、安静にしていた場合と比べて歩いたことで増える消費カロリーは次の式で求められます。
1.05 × (3.5 − 1) × (10/60)時間 × 体重(kg)
| 体重 | 1,000歩で増える消費 | 1年続けると | 体脂肪換算※ |
|---|---|---|---|
| 50kg | 約22kcal | 約8,000kcal | 約1.0kg |
| 60kg | 約26kcal | 約9,600kcal | 約1.2kg |
| 70kg | 約31kcal | 約11,200kcal | 約1.5kg |
| 80kg | 約35kcal | 約12,800kcal | 約1.7kg |
※体脂肪1kg ≒ 7,700kcal として計算
+1,000歩/日約1.2kg
+2,000歩/日約2.5kg
+3,000歩/日約3.7kg
体重60kgなら1日あたり約26kcalで、おにぎり1個(約180kcal)の7分の1ほどです。小さな差でも、1年続けると体脂肪1kg以上に相当します。
ただし、計算どおりには減らない
- 7,700kcal/kg は近似値です。実際の減量では脂肪以外(水分・筋肉)も減り、体も消費を抑えようとするため、1年間の変化はこの試算より小さくなるのが普通です。
- 食事量が同じままであることが前提です。歩いた分だけ無意識に食べる量が増えると、差は縮みます。
- 当サイトの消費カロリー計算は、安静時の分も含んだ総消費量を表示します。この記事の表は「歩いたことで増えた分」だけなので、ツールの値より小さくなります。
歩数以外で「足りない」を埋める方法
- ガイドの基準は「3メッツ以上の身体活動」です。掃除や階段の上り下り、自転車での移動も含まれます。種目ごとの消費は消費カロリー計算で試算できます。
- 筋力トレーニングを週2〜3日行うことも推奨に入っています。重量や回数の目安は筋トレメニュー計算で確認できます。
- 座りっぱなしを減らすことも推奨されています。30分に1回立ち上がるだけでも、座っている時間は減らせます。
まとめ
- 推奨量を満たしている人は約半数です。多くの成人にとって、目安との差は1日あと600〜1,000歩ほどです。
- 1,000歩の上乗せは、体重60kgで1日約26kcal、1年で体脂肪約1.2kg分に相当します(実際はこれより小さめ)。
- 自分の体重で試算したいときは、消費カロリー計算と安全な減量ペース計算を使ってみてください。