2026年の栄養トレンド予測では、「タンパク質をたくさん摂る」だけの時代から、「タンパク質+食物繊維」を意識する方向へのシフトが指摘されています。GLP-1薬(痩せ薬)の普及で食べる量そのものが減る人が増える中、少ない食事量の中で何を優先するかの「質」がより重視されるようになってきたためです。
プロテインへの関心はすでに高い一方、食物繊維は見落とされがちです。バルクラボでは実際に日本人の摂取量が目標とどれだけ差があるのか、具体的な食品量で試算してみました。
食物繊維、実は日本人の大半が足りていない
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、食物繊維の目標量を男性22g以上(30〜64歳)、女性18g以上(18〜74歳)としています。一方、令和5年国民健康・栄養調査による実際の摂取量は、成人平均で約18.1gにとどまっています。
特に男性は目標(22g)に対して平均摂取量(18.1g)が約3.9g不足している計算です。「なんとなく足りていなさそう」ではなく、はっきり数字としてギャップがあることがわかります。
具体的に何をどれだけ追加すればギャップは埋まるか
ここからはバルクラボ独自の試算です。男性の不足分である約3.9gを、身近な食品でどれだけ追加すれば埋まるのかを計算しました。
- オートミール: 約42g(大さじ4杯程度)を追加で摂ると約3.9g
- ごぼう: 約64g(1/3本程度)を追加で摂ると約3.9g
- 納豆: 約58g(1パック45g換算で1.3パック程度)を追加で摂ると約3.9g
- 押麦(大麦): 約41g(白米に混ぜて炊く場合、大さじ3杯程度)を追加で摂ると約3.9g
「玄米にすれば食物繊維は十分」というイメージを持っている方もいるかもしれませんが、玄米の食物繊維は100gあたり1.4gとそれほど多くありません。白米を玄米に置き換えるだけでなく、押麦やオートミールのような食物繊維密度の高い穀物を組み合わせるほうが、ギャップを埋める近道です。
ケトジェニックダイエット中は要注意。「炭水化物25g」の中身
特に見落としやすいのが、糖質を極端に制限するケトジェニックダイエットです。バルクラボのケトジェニックダイエット用PFC計算では、脂質75%・タンパク質20%・炭水化物5%という比率を固定で使っています。1日2,000kcalの場合、炭水化物の目標量は次のように計算されます。
2,000kcal × 5% = 100kcal → 100kcal ÷ 4kcal/g = 炭水化物25g
ここで注意したいのは、一般的な栄養表示の「炭水化物」は、糖質と食物繊維の合計を指すという点です。つまり25gという枠の中に、食物繊維の目標量もまとめて収めなければなりません。男性の目標量22gを差し引くと、糖質として使える枠は実質わずか約3gしか残らない計算になります(女性の目標量18gなら約7g)。
これは「ケトジェニックダイエットでは野菜をほとんど食べられない」という意味ではありません。むしろ逆で、限られた炭水化物枠のほとんどを、葉物野菜やきのこ類のような食物繊維密度が高く糖質が少ない食材で埋める必要がある、ということです。糖質だけを気にして食物繊維の少ない食品(白米や砂糖入りの飲料など)で枠を消費してしまうと、食物繊維不足がさらに深刻化しやすい食事パターンだと言えます。
まとめ: タンパク質の陰に隠れがちな食物繊維を、数字で意識する
2026年の栄養トレンドが示す通り、これからは「タンパク質さえ摂ればいい」ではなく、食物繊維までセットで考える必要がありそうです。自分の目標カロリー・PFCバランスはPFCバランス計算で、無理のない減量ペースは安全な減量ペース計算で確認しながら、そこにオートミールや押麦、ごぼう、納豆といった食物繊維の多い食品を1品プラスすることから始めてみてください。